どうもこんにちは。
1級葬祭ディレクター僧侶はるくんパパです。
前回は久々の投稿でしたがどうでしたでしょうか?
なるほど!そんなふうに考えてもいいんだなと思っていただけたなら幸いです。
そんな前回のお話の中で
「天上天下唯我独尊」
(てんじょうてんげゆいがどくそん)
こんな言葉が出てきました。
聞いたことありますかね?
今回はこの
天上天下唯我独尊
この言葉についてお話していきます。
※今回もしっかりした研究の結果ではありません。しっかりと研究している方はこの記事読んで怒らないでください。「田舎の未熟な僧侶がなんか言っているなぁ」ぐらいに思っていただけたら幸いです。なので学生さんも決してこのブログをコピペしてレポート提出しないように!!教授に怒られても知りませんからね!!!
天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)
聞いたことありますかね?
どこかお寺で見かけたことありますか?
若いころに学ランの裏地や特攻服に自分で刺繍したなぁ。今でも辞書ひかずにスラスラと書けるよ。そんな方はきっとヤンチャしていたのかもしれませんね。
「天上天下念導爆砕剣」と「天上天下一撃必殺砲」なら知っているよ。という方は絶対に友達になれると思います!ただそんな方はこのブログではなくて
「生臭坊主の生臭くて何が悪い!MkⅡ」
https://www.namagusabouzu.net/
こちらのほうが合っていると思いますのでよろしくお願いします。
そんなぐらいの認識の言葉だと思いますし、興味なければ生涯気に留めることないような言葉だと思います。なんだか漢字がいっぱい並んでて難しそうですもんね。
ではこの
天上天下唯我独尊
という言葉これにどんな意味があるのでしょうか。
この言葉というのは前回のお話でも出てきたように
お釈迦様が産まれたときに話した言葉だと言われております。
お釈迦様の母親は出産の為に嫁ぎ先のシャカ国から実家へと向かっている途中でした。
実家に到着する前に産気づいたのですが、その場所があまりにお花が綺麗でその花を右手で触れるとお釈迦様が右脇から産まれたそうです。
そして産まれてすぐにお釈迦様は立ち上がり7歩歩き、右手を上にして指差し、左手を下にして指差し
「天上天下唯我独尊」
と言われたそうです。
そのときに天から甘い雨(甘露)が降り、鳥や動物たちが集まり、咲くはずの季節ではない花も一斉に花を咲かせてお釈迦様の誕生をお祝いしたそうです。
これがお釈迦様が産まれたときの伝説ですね。
この日が4月8日
キリストの誕生日は皆さん良く知っていると思いますが、お釈迦様の誕生日も覚えてくださいね。
なので今でもこの日にお寺では「花まつり」といって誕生仏(お釈迦様の産まれたときの姿)を飾り、その周りをたくさんの花で飾り、甘茶をかけるんです。この甘茶が産まれたときの甘い雨の代わりというわけですね。最近では春のお彼岸と合わせて行うお寺もあります。
とまぁお釈迦様の誕生の話はここまでにして、なぜ産まれてすぐにこのような言葉をはっしたのでしょうか?
天上(てんじょう)
地上(人の世界)から上の世界、もともと六道輪廻(ろくどうりんね)の概念は仏教以前からインドにはあったので天部の世界ですね。
天下(てんげ)
地上(人の世界)から下の世界(地獄、餓鬼、畜生、修羅)といった世界
つまり天上天下でこの世のすべてという意味があります。
そして次の
唯我独尊(ゆいがどくそん)
この部分が様々な解釈があるのでお坊さん以外でもヤンチャな人が使いたくなってしまうのです。
どういうことかというと、この唯我独尊は少し前は
「私はただ一人の尊きものである」
という解釈が多かったのです。
辞書を引いてみても
「世間において私が最も勝れたものである」
という意味が書いてあります。(ちゃんと調べました)
つまり
『この世、あの世も含めて地上の誰よりも私は尊き者であり、誰よりもすごいのである』
ドンッ!!!って入れたくなりますよね。
「海賊王にオレはなる!」みたいですね。
すごく傲慢で偉そうですね。お釈迦様が産まれてすぐにこんなことしゃべったら、「え?産まれたばかりなのに中二病こじらせてる?」
そんなこと考えてしまいそうです。
おそらく昔のヤンチャな方たちが特攻服にこの言葉を刺繍したのはこの意味でのことだと思います。
「俺はこのチームでこの〇〇地区のテッペン取るんだ!いずれは全国制覇して日本のテッペン取るぞ!それができるのは日本でただ一人!そう!俺だけだ!日和ってんじゃねーぞ!俺についてこい!」
な感じで刺繍したんでしょうね。
まぁそんな意味もなく
「世界で一番すごい」って意味なんだよ。と教えられて刺繍しかたもしれないですが。
最近流行のタイムリープヤンキーマンガもこんな感じなんですかね?東京卍会なんて出てくるんでお寺やお坊さんの集まりの話なんですかね?(読んだことないんです。ごめんなさい)
ただ、最近はこんな傲慢な解釈ではなくて
唯我独尊
この言葉を
「ただの一人の例外もなくすべての人は尊いのである」
というような解釈をするのが一般的です。
つまり
『この世、あの世すべての世界の人は平等であり、たった一人の例外などなく誰もがどんな身分であっても尊いのである』
こんな意味になります。
こちらのほうがお釈迦様が言いそうですよね。
私(お釈迦様)も特別な存在ではなく、この世の人と同じであり、誰もが平等であって、誰もがこれから私(お釈迦様)の説く仏道を歩むことができるんですよ。そこに身分(当時のインドではカースト制度という厳しい身分制度が根強くあった)や人種、年齢、性別なんて関係ありませんよ。
こんな意味があってお釈迦様は産まれてすぐにこの言葉を発したのだと私は思います。
天(上)と地(下)を指さしているのも平等であることの意味なんでしょうね。
そんなふうに意味がわかると
「天上天下唯我独尊」
この言葉がすごく優しい言葉に見えてきますよね。
特攻服や学ランの裏にこの刺繍が入っている子は、見た目は怖そうだけど心の中はみんな仲良く楽しい仲間と集まっていたいと思っている、平和が一番な優しい子なんだろうな。きっと捨て猫とか見つけたら放っておけない子なんだろうな。
そんなふうに見えてきませんか?
これもまさに仏教なんですよ!
どんな見た目でもどんな姿でもその心の中には「仏性」といって仏心、優しい慈しむ気持ち、慈悲の心は誰もが持っているのです。そこに気付くかどうかは本人や、周りの人次第ですが、誰もが仏になれるのです。
どうでしょうか。何となく意味が伝わっていただけたなら幸いです。世界が平和で平等でありますように。
天上天下唯我独尊
それでは良い終活のお供となることを
合掌
こんな難しい事でななくてお坊さんの日々の生活や趣味とかそんなことを気軽に覗き見たいな~なんて方は趣味ブログもやってますので、息抜きにこちらもお越しいただけると有難いです。
「生臭坊主の生臭くて何が悪い!MkⅡ」