どうもこんにちは。
1級葬祭ディレクター僧侶はるくんパパです。
前回は「派遣のお坊さん その2」ということでブログ初期の頃の記事からの「その2」ということでだいぶ時間が空きましたが、実際に登録して派遣のお坊さん初めてみようかなというお坊さん向けに記事を書き始めました。
今回もその続きで
実際に登録の依頼を何社かに送ってみたけど実際にどんなこと用意したらいいの?
とか準備しておいたほうがいいことなどを紹介していきたいと思います。
ということで
派遣のお坊さん その2の2-準備編-
まず登録に必要な書類となるのですが、やはり重要なのが
・お寺があることが証明できること
・僧侶としての資格を有していること
・宗派に属していること
・お寺として派遣僧侶に登録することを許可されていること
これらが重要となります。
まずは
「お寺があることを証明できること」
やはりマンション住職のように資格だけを持っているだけでは登録はできません。依頼を下さる施主様だってお寺にいないお坊さんが来るのはやはり不安です。なのでしっかりと実在しているお寺にいるお坊さんだよと証明できることが大切です。
そこで提出を求められる書類が
「履歴事項全部証明書」
という書類になります。
こちらは寺院がしっかりと法人登録をされていることが証明できる書類になりまして、法務局で発行してもらう書類になります。発行には会社法人番号とお寺の住所などが必要になり、数百円の手数料も必要になります。法務局が混んでいなければすぐに発行してもらえるので、そんなに手間ではないと思います。ただ、基本的にはコピーではなく原本の提出になるので、何社かの登録を考えているのであればまとめて何枚か発行してもらっておくのもいいと思います。
次に
「僧侶としての資格を有していること」
こちらは私は
「僧階の任命書」をスマホのカメラで撮影して印刷したもの
これを提出しました。さすがにこれは何枚も発行できるものではないですし、コピー機でコピーできればいいですが、賞状サイズでしたので上記のようにして提出しました。この書類があれば名前も宗派名も入っているので、しっかりと宗派に属していて僧階も有していることが証明できるので問題ありません。
次の
「宗派に属していること」
これは先ほどの書類と同じようではあるのですが、お寺が宗派に属しているかどうかの証明になります。
履歴事項全部証明書にも「包括団体の名称及び宗教法人非宗教法人の別」という項目にも載っているのでそれでも十分だとは思いますが、「承認書」のような書類もあるとさらにダメ押しで証明できるのでいいと思います。なぜこのような書類が必要かというと、「昨日は天台宗」「今日は真言宗」「来週の法事は浄土宗」のような感じで依頼を受けることができなくなるようにだと思います。また、単立寺院(宗派に属していない)となると、どこぞの新興宗教かもわからない、自称僧侶の登録ができないようにこのような書類が必要になります。
「お寺として派遣僧侶に登録することを許可されていること」
こちらですが、基本的には登録時の各社から送られてくる書類に住職の確認とお寺の確認が取れていることを記載することです。
というのも副住職でお寺の仕事があまりないから、住職に内緒で小遣い稼ぎしようとか、お寺には属しているけどその名前だけ使って登録しようということができないようにということですね。
なので、しっかりと派遣のお坊さんをやりたいことを住職へ相談して了解してもらうことが必要です。
もちろん私は住職へ話をして、書類を書いてもらい登録をしています。なので派遣のお坊さんでどのぐらいの依頼を受けて、いくらのお布施を頂いているのかは毎月報告もしています。
なのでこのことに関しては書類どうこうよりも住職の了解をもらうことが何より大切です。
以上のような書類をそろえて登録する会社へ送るのですが、郵送の場合もありますが、多くはやはりそこはネット葬儀社、メールで書類の添付して送ればいいことが多いです。原本が必要な場合は郵送ですけどね。
なので少しはビジネスメールも勉強しておきましょう。ネット情報ぐらいでも大丈夫ですよ。
書類は送りました!
後は依頼がくるまで気長に趣味でガンプラでも作って待ってますね!
というのはちょっと待ちましょう!
できれば準備しておいたほうがいいものがあります。
まずは依頼がくる
・一般葬(家族葬)通夜、葬儀
戒名を授けるとき
俗名のとき
・一日葬
戒名を授けるとき
俗名のとき
・火葬式
戒名を授けるとき
俗名のとき
葬儀はこの6パターンと
・四十九日法要
・一周忌法要
・三回忌法要
・お盆法要
・仏壇開眼
・石塔開眼
法事はこの6パターン
このぐらいは最低限でも次第を準備しておいたほうがいいです。
私はさらに依頼を受けているうちに
・石塔閉眼
・石塔建碑
・ペット供養
この辺りも必要になりました。
まずは葬儀関係ですが、通夜は終わりの時間はあまり気にしなくてもいいとおもいますが30分前後で終わるように、葬儀(一日葬)は初七日含めて一時間以内できれば法話もあわせて50分程度で終わるといいと思います。
いや、いや、自分のところはいつも葬儀、初七日合わせて最低でも90分かかるんだよ50分なんて無理無理。なんていうお坊さんはもし、時間がどうにもならないのなら葬儀社さんと電話で話をして開式時間を早めてもらうとかしないとなりません。ですが、依頼がくるときにはほとんどは時間が決まってから依頼がくるので、できればその時間内で終わるようにこちら(僧侶側)が合わせたほうがいいですね。
そんな僧侶側が葬儀屋に合わせるなんて絶対に無理!
そんな頑固で古い考えのお坊さんはそもそも派遣のお坊さんの登録はあきらめましょう。おそらく最初の依頼以降は音沙汰なしになりますよ。
もちろんある程度のこだわりや、僧侶としてゆずれない部分もあるとは思います。ただ、あくまで派遣されてきているお坊さん。依頼を受ける側なので葬儀屋さんやネット葬儀社ともうまくあわせて依頼をこなしていく必要があります。
次に火葬式になります。これは火葬場で火葬炉に入る前、もしくは入った後(これは火葬場によります)10分~15分程度行う超簡略的な葬儀になります。なのでその時間内に戒名を授けて焼香もする。喪主様が不満の無い程度の内容で、できれば法話もしたほうがいいです。なのでこれも先ほどと同じように
15分で葬儀なんてできないね
なんていうこだわりは捨ててなんとか時間内に収めましょう。火葬の時間は決まっているので、お坊さんのわがままで時間を延ばすことは難しいので次第作りはがんばりましょう!
ちなみに経験でなんですが、火葬場の職員さんの権力がとても強いところがありまして、「炉前でなんか拝ませねぇよ!」なんていう火葬場もありまして、そこは葬儀社が頼んでもダメで、前の時間の火葬が遅れれば「早く来たって拝む時間なんか取れないからな」火葬が順調であっても「時間どおりにこないと時間まで炉に入れないからな」そんなわがまま職員さんの火葬場です。
やはり、葬儀屋さんも困っているようでその時はホールの安置室で火葬式を執り行った後に火葬場へとなりました。
そんなこともありますので、施行する葬儀屋さんとも連絡を取り合って依頼をこなしていくことが大切です。
次に法事関係ですね。
これは時間はあまり気にする必要はありませんが、まぁ法事ですから30分前後に収めるのがいいですかね。これはそんなに難しいことではないと思います。
ただ、普段の年回の法要とは違う依頼も来ます。石塔開眼だけ閉眼だけや建碑法要といって「ここにお墓をこれから建てます」のような依頼も入ります。また、お盆の時期はお盆法要も入りますので、毎年棚経で檀家さん回っているから余裕ではなく、こちらも20~30分程度の法要になるように次第を用意したほうがいいです。
そして法要の場所が、基本的には自宅か墓地で執り行うことが多いです。中には葬儀会館でとかもありますけどね。なので、個人宅に上がることに躊躇してしまう人は頑張りましょう!
私は前職の葬儀屋さんのときにさんざん個人宅に伺いました。(おそらく700~800件程度)なのでインターホン押すことも、部屋の中でいろいろ作業することも特に抵抗はありません。これは慣れないときっと緊張するでしょうね。
そして個人宅なのでナビにピンポイントで表示されるかどうかなども大切ですので、カーナビ以外にもスマホナビはいくつかインストールしておきましょう。
また、墓前での法要もよくあります。
この場合は自分で机を用意しておくことが必要です。まぁ仏具カタログにいくらでも載っているので必要あれば注文しておくか、どのお寺でもそのような机はあると思うので忘れずに持っていきましょうね。
墓地でも霊園ならまだちゃんとした駐車場もありますし、待ち合わせも問題ないですが、個人の墓地とかになると駐車場はなかったり、住所も決まってなかったりもあるので依頼者のかたとはよく話をして、待ち合わせ場所や目印をよく確認しましょう。
これは法事全般なんですが、葬儀や火葬式であれば焼香の為の香炉の用意は必要ありませんが、法事だと葬儀屋さんの立ち合いがあるわけでもないので、携帯回し香炉は必ず必要です。
最後に必ずどんな場面でも「法話」できるように準備しましょう。
苦手だから
うちは代々の住職は法話しない主義だったから
話始めると1時間は話しちゃう
だからやらない!
というのはやめましょう。檀家さんならそれでも許してくれるでしょうが、派遣で伺うお宅は基本的には一期一会しっかりと法話をすることでお坊さんへの信頼もいただけますので30分とか話すわけではありません。5~10分程度話ができればいいんです。それもわかりやすい内容で。
ちなみに私は
戒名葬儀
俗名葬儀
戒名火葬式
俗名火葬式
年回忌法要
お盆
このぐらいである程度は頭の中でまとめてあります。
実際に法話ってお経を読むことよりも難しいと思います。葬儀は前を向いてやりますが、法話は全員の注目を浴びながら話します。緊張しますよね。私も前職の経験があるのである程度は大丈夫です(自宅で納棺とか30人以上の注目の中仕切ったり)が、やはり少なからずは緊張します。こればっかりは経験だと思いますが、できればカンペ見ずに話せると一番いいですね。
こんな感じでいろいろと準備しているうちにきっと依頼が来ますので、初めての依頼なら恥ずかしがらずに依頼をくれた会社に「初めて依頼を受けるので」といろいろ聞きながらすすめましょう。
個人的にはこんな感じで準備はいいと思うのですが、もしこれから始めるお坊さんで私なんぞに聞きたいことがあれば、インスタかTwitterでDMください。
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それでは良い終活のお供となることを
合掌
こんな難しい事でななくてお坊さんの日々の生活や趣味とかそんなことを気軽に覗き見たいな~なんて方は趣味ブログもやってますので、息抜きにこちらもお越しいただけると有難いです。
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