1級葬祭ディレクター僧侶の終活のお供

元葬儀担当者にして1級葬祭ディレクター現役僧侶が終活のお手伝いをさせていただきます。

数珠(じゅず)って言いずらいですよね

どうもこんにちは

 

1級葬祭ディレクター僧侶はるくんパパです。

前回からだいぶ間があいてあいまいました。

小さいながらもお寺の副住職ですので、お盆にはそれなりに仕事があるのです。

ちなみに前回までは戒名シリーズでした。

 

www.syuukatuotomo.com

よろしければ読んでみてくださいね。

 

今回お話するのは

数珠について

でございます。

(じゅずって言いずらいですよね。お坊さんの私でも噛みそう、むしろよく噛みます)

 

お葬式や法事のときに何となく手にもっているアレです。

これですね。何に使うのかはよくわからない。けど親や親戚から持っとけと言われて持ってます。って人多いですよね。

ちなみに葬儀屋さんの頃、葬儀会館での忘れ物ナンバー1!

それが数珠(じゅず)

念珠(ねんじゅ)

とも言います。私は念珠のほうが言いやすいので普段から念珠と言っています。

なぜ忘れ物で多いかというと普段持ち歩いていないから。持ち慣れていないからですね。なので忘れ物でホールで保管していてもほとんど取りに来たり、「忘れ物でありませんでしかた?」っていう問い合わせもありません。おそらく忘れてもそのまま礼服をしまい、お葬式用バックをしまい、次に使うときまで忘れたことにすら気づいていいないのでしょうね。葬儀屋さんあるあるです。

 

話は戻りまして

お坊さんがなぜ数珠を持っているのか

なぜ仏教では数珠を持つのか。

皆さんは考えたことありますか?

え?見た目的に持ってたほうがかっこがいいからでしょ?

 

え?親に持っていなさいって言われたから持っているんですよ。

 

え?キリスト教が十字架持っているような雰囲気なんじゃないの?

 

おそらくこんな感じではないかなと思います。数珠の意味なんて考えたこともないですよね。お葬式のマナーとかでも「持っていきましょう」ぐらいにしか書いてないのではないのかと思います。なんで持っていくかも書いてないと思います。

そして今回もご自分でGoogle先生などで、いろいろ調べていただければ数珠の意味が出てくると思います。そして研究していたりしている諸先生方はこんな僧侶の端くれのような数珠の話などは鼻で笑ってこのページは閉じて記憶から抹消してくださいね。そして怒らないでください。

   

そもそも

数珠(かず)の(たま)と書きます。この字のとおり本来数珠とは

数を数えるための道具

なんですね。

皆さんが持っている数珠は片手念珠(かたてねんじゅ)片手数珠(かたてじゅず)と言われるようなものでして本来の数珠の略式のもの。持ち歩きしやすいように小さくなっていて、本来の数を数えるようには使わない。まぁ言ってしまえばかっこつけるためのものです。

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男性用・女性用なんていうのも玉の大きさが違うだけで特に意味はないのです。

そして私たち僧侶が持っているのが通称ですと本念珠(ほんねんじゅ)なんて呼ばれるもの

(画像は私物です。大きさが分かりやすいように1/144HG RX-78‐2ガンダムを置いてみました)

これが本来の数珠の形になります。ただ宗派によって形はいろいろなのでお坊さんの数珠すべてがこの形ではありません。真言宗ではこの形)

この数珠の木の玉(赤い色の石は数えません)を数えると全部で108個あります。そうです煩悩の数と言われている数ですね。なのでこの玉を1回お経を唱え終わったら1個指で送ることで頭の中で数を数えていかなくても持っている数珠を見れば今何回お経を唱えたのかのかがわかるようになっているのです。

そして木の玉の間にある小さな石の玉は8個目と22個目に付いていて、その石の玉の手前までで7回・21回それぞれ数えることができるようになっていて手元を見なくても触っただけでわかるように少し小さくなっているのです。大きな玉は55個目についているので上の大きな玉から下の大きな玉までで54個、これで折り返してさらに54個で合わせて108個となるわけです。

108個数えてお経を108回唱え終わったら終わりではありません。まだまだこの数珠は数を数えられます。

さらに大きな玉に付いている飾りの房みたいのがありますよね。

ここに付いている玉を1度108回唱えたら1個動かす。すべて動かしたら今度はすべて戻す。そしたら上の根本についている玉を動かす。そんなことを繰り返していくと最終的に

1080000回

108万回数えることができるそうです。

なぜそんなに数える必要があるかというと、とあるお経を108万遍唱える修行があるからですね。

私でも知っている修行ですと、真言宗の開祖である弘法大師空海が若いころにに行った修行で「虚空蔵求聞持法」(こくうぞうぐもんじほう)といって虚空蔵菩薩という仏様の真言真言宗で唱えられるお経)を108万遍唱えてこの修行が成功すると一度聞いたこと、見たことはすべて記憶できて忘れないという学生さん特に受験生は是非お勧めしたいような修行があります。ちなみにただ唱えるだけではなちゃんと成功しなくてはなりません。もちろん空海は成功していますよ。

ではまず数珠を用意して

「のうぼうあきゃしゃきゃらばやおんありきゃまりぼりそわか」

はい!言えましたか?

ではあと

1079999回

頑張りましょう!

さぁ数珠も片手ではなくちゃんと108玉のある数珠を用意しましょう!

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まぁそんな簡単に成功しませんので勉強しましょうね。

 

とそんなふううに数を数えるための道具が数珠になるわけです。数を数えながらも様々な修法もしなければならないこともあるので、

数珠は左手

に持ちます。基本的には左手片手で玉を送りながら数を数えていくんですね。

 

なるほど!数珠ってそんなふうに使うんですね。ということは何となく伝わりましたかね。

でもお葬式のときにお坊さんが数珠を両手に持ってジャラジャラと擦って音出しているのを見ましたよ。明らかに数を数えている様子ではなかったけどあれは何?

なんて思った人はお葬式参列してウトウト眠くならずにちゃんと座っていた人ですね。

確かに数珠は数を数える以外にも両手で持ってジャラジャラと擦り合わせて音を出すように使うこともあります。これは心の中で思っているとことを仏様へ伝えたいとき、強く想いを伝えたいときにする作法になります。

音の出し方、すり合わせかたは宗派によって違いますし、同じ宗派でもお師匠さんによっても違ったりもするので正解の持ち方、音の出し方はありません。

もし自称葬祭マナー講師さんが「こうやりましょう!」なんて説明をもしもしていたならば怪しいマナーだったり、勉強不足講師さんなのであまり信用しないほうがいいと思いますよ。

ではなぜ擦り合わせて音を出すようになったかというと、

昔一生懸命にお経を唱えて修行をしているお坊さんがいたそうです。そのお坊さんは本当に熱心にお経を唱えていました。一生懸命熱心に合掌しながら両手に数珠をかけてお経を唱えていたので、だんだんと腕に力が入っていつの間にやら数珠が擦りあわされてジャラジャラと音を出しながらお経を唱えていたそうです。

これが数珠を擦り合わせるという作法の始まりだと私は教わりました。おそらく諸説有だと思いますので、これだけではないと思います。

ちゃんと知りたい人、万が一大学のレポートでコピペしようと思うならこんなブログではなく図書館で調べましょうね。

 

これでお坊さんがなぜ数珠を左手に持っているか何となくでも意味がわかりましたでしょうか?

ではなぜお坊さんでもないし、お経を唱えた数を数えるわけでもないのに一般の人が数珠を片手にお葬式にいくのか。

またちょっと長くなりそうなので、今回のお話はこの辺で。

それでは良い終活のお供となることを
合掌

こんな難しい事でななくてお坊さんの日々の生活や趣味とかそんなことを気軽に覗き見たいな~なんて方は趣味ブログもやってますので、息抜きにこちらもお越しいただけると有難いです。

「生臭坊主の生臭くて何が悪い!」

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