1級葬祭ディレクター僧侶の終活のお供

元葬儀担当者にして1級葬祭ディレクター現役僧侶が終活のお手伝いをさせていただきます。

戒名の松竹梅?

どうもこんにちは

 

1級葬祭ディレクター僧侶はるくんパパです。

前回は戒名についてそもそもの戒名の意味と法名との違いについてお話しました。

 

www.syuukatuotomo.com

戒名と法名ってのがあるのはわかったけど、他にも種類があるって聞いたことあるよ。

なんかランクみたいのがあって松竹梅みたいに金額がちがうらしいよ

そんなこと聞いたりしたことありますかね?

 

なので今回は

戒名の種類

こちらをお話していきます。

ではまず聞いたことあるであろう戒名の種類

男性に付ける戒名 女性に付ける戒名

院号居士(こじ)院号大姉(だいし)

居士(こじ)  大姉(だいし)

信士(しんじ) 信女(しんにょ)

子供さんの場合は

童子(どうじ) 童女(どうにょ)

 

こんな感じで聞いたことあるのではないかと思います。

基本的には大人の戒名はこの3種類のいずれかを授かることになり、お布施の金額も上が一番高額で下がっていきます。

この金額は地域やお寺で様々なので、この戒名は〇〇万円です!とはここでは言えません。それを期待して読んでくれた方はごめんなさい。

ちなみによりそうのお葬式 小さなお葬式 などのネット葬儀での戒名の金額ってかなりの格安です。気になる人は見てみてください。

   

ネットなどにも調べればいろいろな金額は出てくると思います。

例えば

院号なら100万ですよ。

信士でも最低でも50万は包みましょう。

都市部なら院号300万ですね。

こんなことも検索すると出てくるとは思います。ですがこれらはその地域、お寺ではそうなのかもしれないですけど、全国一律ではありませんし、同じ地域の中でもお寺ごとでも違うことなのでネットの情報を信頼してお布施を包まないように注意してください。

※そして当ブログは私個人の知識や意見でお話していますので、もっと勉強したり研究している方、僧侶の方や他宗派のお坊さんなどもこのブログ見て怒らないでください。また、こんな個人の知識だけでなく、金額以外のことでちゃんと調べたい人はGoogle先生で検索してご自身で調べてみてくださいね。

   

では金額の話は以上としまして、

先日の安倍元首相の増上寺での葬儀の際のテレビ中継で戒名注目していた人はいますでしょうか?私は職業柄ついつい位牌を注目していまうのですが、見えた範囲では

紫雲院殿

という院殿(いんでん)号の付いたとても立派な戒名が書かれていました。

他には俗名からの「晋」 

政治の「政」 

増上寺は浄土宗のお寺です。浄土宗での戒名には「誉」この文字を入れることになっています。

この3文字が入っていたのは記憶しています。

そして見えませんでしたが、おそらく最後は

大居士(だいこじ)

だったのではないかと思います。

この院殿号(いんでんごう)という戒名まず一般家庭では見かけることはありません。よほどどこかの大会社の会長さんや社長さん。大病院の院長先生や理事長さん。その人一人で菩提寺の本堂の建て替え費用全額寄付しましたよ。そんな人でないと付けない戒名です。

ちなみに私も葬儀社に15年いましたが、院殿号の戒名は見たことがあるのは1度だけです。地元でいくつも総合病院をやっているような大病院の院長先生の戒名でした。

この院殿号は昔ですとお殿様や将軍などに授けられた戒名で、そういう関係の資料館や大きなお寺の宝物庫、高野山の墓地に刻まれている名だたる武将の戒名がこの院殿号となっています。

現在ですと普通にお願いしても授けてくれるお寺さんは少ないと思います。どうしてもとお願いすれば可能性はあると思いますが、お布施は通常の院号の10倍以上にはなってくるのではないかと思いますね。

ちなみに女性で院殿号が付くとなると最後は清大姉(せいだいし)となります。大大姉にはなりませんので注意です。(何に注意かわかりませんが)

 

とまぁ我々世間一般の人とはちょっと遠い話はここまでにしまして、今度は関係のありそうなよく見かける戒名についてのお話に戻りますね。

 

そもそも戒名ですが、今現在は最初から最後まですべてで戒名といわれています。

ですが本来ですとちょっと違いまして

院→院号(いんごう)

〇→道号(どうごう)

〇→戒名(かいみょう)

〇→位号(いごう)

このように分かれています。

 

院号のついては後程の種類についてで説明しようと思いますので、次の

道号」ですが、これは生前の故人のことが思い浮かべられるような2文字を付けることが多いです。趣味や仕事、性格などから考えます。

戒名」ここが本来の戒名の部分となります。我々僧侶も僧名(戒名)は2文字です。お坊さんで自己紹介で4文字の名前言う人っていませんよね。俗名が一文字だったりする人はお坊さんの時にはもう一文字足して2文字にしていたり、俗名とは全く関係ない2文字の名前になったりします。なので故人へ付ける戒名も基本的には俗名から一文字取ったり、俗名のままでも読み方だけを変えたりしながらこの部分を考えます。

最後の「位号」になりますが、これは居士や信士などその戒名の位(くらい)を表しています。これもこの後説明します。

 

ではタイトルにも付けた

戒名の松竹梅ですが

誤解のないようにお話しますけど、戒名には本来、松竹梅のようなランク分けがあるわけではありません。院号だから偉いとか信士だから良くないとかそんなことはありません。どれもとても立派な戒名です。ただ、現在ですとお寺が悪いのかもしれませんが、松竹梅のようなランク分けのイメージになってしまっていると私は感じています。

ではまず

「信士・信女」

この位号は「あなたはとても深く仏教を信仰していてすごく信心深い人です」という位になります。なのでこの位号でもすごくいいことなんですよ。

 

「居士・大姉」

この位号は「あなたはとても深く仏教を信仰し、勉強もしていますので、どうぞ他の人へも仏教の良さ、すばらしさを広めて伝えてください」という位になります。誰かに教えることもできる、先生にもなれる位号です。

 

院号居士・院号大姉」

院号というのは「あなたはとてもとても深く熱心に仏教を信仰し、勉強してきました。なので、あなた(故人)専用のお堂の〇〇院というお堂を建てて、そこでたくさんの人を集めて大勢の人へ仏教を広め伝えていき、さらにその専用のお堂の中でもっと深く仏教を勉強してください」という位になります。もはや菩提寺の暖簾分けのようなことですね。

このように戒名は種類があるのですが、日蓮宗などはさらに「院号信士・院号信女」などもあったりします。種類はたくさんあってそれぞれに意味はあるのですが、どれも

「あなたはとても深く仏教を信仰し立派な私の弟子となりました」

という住職の気持ちの込められた戒名になります。

なのであの家は院号付だとかここの家は信女だとかそんなふうに見るのではなく、どれも故人様の生前の様子の伺える立派な戒名ですね。と見てあげてください。

そこにはご家族からの故人様への想いや、その話を聞いて戒名を考えた住職の想い、故人様から皆様へ伝えたい想いなどがあるはずです。なんとなく戒名を見るのではなく、そんな様々な思いを戒名の漢字の列から伝わっていただけたらなと私は思います。

 

では今回はこのへんで

まだもう少し戒名のお話しようと思いますのでお付き合いください。

それでは良い終活のお供となることを
合掌

 

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