どうもこんにちは
1級葬祭ディレクター僧侶はるくんパパです。
これまでは
一般の家庭の葬儀
葬儀屋さんの葬儀
と記事を書いてきました。
今回からは
お坊さんのお葬式
記事にしていきます。
そもそも私は元葬儀屋さんで実家がお寺、現在は葬儀屋さんを辞めてお坊さんをやっています。
世間からすると
お寺=仏教=お葬式
これが一般的なのかなと思います。決してお寺はお葬式や法事など人生の不幸事の行事をする場所ではありません。
仏前結婚式もできますし、お宮参りなどのお祝い事だってできます。
しかし現状の寺院経営でのお寺の収入源は主には
・お賽銭など
・お守りやお札などの代金
・法事やお葬式などのお布施
・塔婆料など
こんなところが主な収入源でしょうか。
そんな中での大きな収入というのが
お葬式のお布施(戒名料なども含めて)
になってきます。
お寺にとってお葬式は大切な収入源であり、布教(仏教を伝える)の場でもあるのです。
日本の仏教は「葬式仏教」だ。
なんてことも良くいわれます。
ほとんどのお寺はお葬式に頼った寺院経営をしなくてはならない現状と、家庭の不幸でしか頼られないお寺の現状をバカにした言い方なのですが、
私は葬式仏教大いに結構だと思います。なぜならお葬式という場面、大切な家族を失って心に大きな傷がある(グリーフ状態なんても言ったりします)時にお坊さんが来て、お葬式をする。読経をする。法話をする。すると家族の方は少し心が軽くなります。私は今までお葬式にお坊さんとして行ったり、葬儀屋さん時代には1000件近くの葬儀の担当をしてきました。お葬式始まる前には下を向いているような重い空気だったのがお葬式が終わるとほとんどの方は晴れやかな顔になります。
「お葬式やってよかったです」
「気持ちに一区切りがつきました」
「とっても疲れましたが無事に終わってよかったです」
そんなことをよく話されます。
お坊さんのお経は内容はよくわからないけど、お葬式やると気持ちが軽くなるんですよ。
お葬式の形式は何でもいいんです。
一日葬
火葬式
お葬式の間だけは本気で故人様のことを考えてたくさん思い出してたくさん泣いてあげるんです。
その中に少しお経と法話が入るとつらい気持ちを楽にしてくれる。
日本の仏教のお葬式ってそういうことだと私は思います。
でもお布施って高いですよね?
はい。
私も多少なりともそう思います。
「お寺のお布施ってなんでそんなにするんですか?」
「もっと安くできないんですかね?」
「うちのお寺はお布施が高いんだよ」
「本当、坊主丸儲けだよな」
「お布施高いからお寺頼みたくないんだよ。本当はね」
葬儀屋さんやっているときは本当によく言われました。
葬儀屋さん立場なら
「そうですよねぇ」
「でもお寺呼ばないわけにいかないですししょうがないですよ」
とかそんな感じで話を合わせていたりもしましたが、内心ではとても心苦しい気持ちでもいました。
そもそも「お布施」というものは昔ですとその字のとおりに
「布を施す」からお布施なのです。お坊さんが各家を托鉢といってお経を唱えて回っていたころに、読経をしてもらったお礼として食事やお金を出す余裕がないから布の切れ端をお坊さんに渡していたことから、お坊さんへのお礼を「お布施」と呼ぶようになったそうです。そしてその布をつなぎ合わせたのがお坊さんがかけている「袈裟」になるわけです。
そうしていたのが段々とお金を渡すようになり、バブルのころになると競い合うように戒名やお布施の金額を上げていき、お寺はその当時の金額からなかなか下げるようなこともできなくなり、現在のようなお布施の金額になっていったそうです。
話が少々ずれましたが、お寺にとってお葬式はとても大切な仕事の一つです。
坊主丸儲けできればそれにこしたことはないですが、実際にお寺で裕福な生活を送っていけるのはほんの一部のお寺だけになります。私のお寺も全く丸儲けな生活はできません。だから以前まで葬儀屋さんに勤めていたわけですからね。昔だと平日は学校の先生や役所の職員、土日はお坊さん。そんなお寺も多くありましたが、現在の日本の仕事状況では2足の草鞋はなかなか難しいのです。
「お葬式ができたので明日休みます」
「お盆は会社も忙しいでしょうが、お寺の手伝いがあるので休みます」
そんなことをしょっちゅうやっていれば「じゃあお寺だけやっていればいいじゃないか」とすぐに職を失うでしょうね。
そんな現状でのお寺、お坊さんにとっての
日々の生活のための大きな収入源なのが
お葬式なのです
次回はこれからのお坊さんのお葬式について記事にします。
それでは良い終活のお供となることを
合掌
こんな難しい事でななくてお坊さんの日々の生活や趣味とかそんなことを気軽に覗き見たいな~なんて方は趣味ブログもやってますので、息抜きにこちらもお越しいただけると有難いです。
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