どうもこんにちは
1級葬祭ディレクター僧侶はるくんパパです
前回までは一般の家庭からの葬儀~葬儀の事前相談について記事にしました。
いまいちまとまらない内容だったと思いますが、今回からは
葬儀屋さんにとっての葬儀って?
こちらについて記事にしていこうと思います。
まず私がなぜ葬儀屋さんに就職したかといいますと、私は寺の次男で3歳上の兄と2歳年上の姉がいます。じゃあ寺を継ぐのはお兄さんなのでは?兄は母の実家の大きなお寺の住職として入りました。なので私は実家のお寺をゆくゆくは継ぐものだとの認識でいました。
そのまま大学4年生まで過ごし、卒論も提出し、卒業後は家の寺を手伝いながら兄の寺を手伝ったりそんな感じかなと思っていました。
ところが、実家にはそんな余裕は無いので働くようにと急に言われます。今まで就活などしてこなかった大学4年の冬に!!
え?ちょっとまって?
と思っていたら姉から知り合いに地元の葬儀屋さんに勤めている人がいるから就職できないか聞いてみるよ。と
とりあえず連絡して面接しましょうとの事になり、そこまで就職したくない私は
「寺の手伝いで急に休むかもしれない、彼岸・お盆・年末などにはまとまった休みが必要だ。」
等と話をしてきました。
その結果
採用で!
見事に就職が決まりました。
ある程度はお寺を優先で休みを取っても構わない、こちらもそのつもりで採用します。
との事。
そんな感じで私の寺の息子が葬儀屋さんで働くという状況になった訳です。
就職してからはまぁまぁ大変でしたよ。
葬儀屋さんは基本的には24時間365日会社はやっています。その中でシフト制での休日なので休みを寺の行事にあわせたり、お葬式ができれば先の休みだったところを上司へ話して動かして休みを取る。宿直業務もありましたから、宿直明けにそのまま寺の手伝い。最初の年はお盆は寺の手伝いで休みを取りたいと話したら上司に嫌な顔をされ、さらに年末年始も休みを取りたいと言ったら、新入社員は大晦日~元旦にかけての宿直業務をするものだ!葬儀屋の仕事は二の次なのか!と言われ、嫌な思いもしたりしました。
葬儀担当に就くようになってからも自分の担当したお宅が寺の行事にかぶっていれば誰かに代わってもらい、担当できると思ったら葬式ができたから休んでくれと住職から話があれば休まざるを得なくなり担当の家からは「最後までお願いしたかったです」とか言われたり。
そんなこんなで15年間勤めてその間に1級葬祭ディレクターっていう資格も取ることができました。
辞めた理由は後の記事にも関係出てくることもあるのですが、結婚してマイホームも建てて、そんな家に帰って夕飯食べて寝るだけなのが嫌になったのと、子供ができたときに子供と過ごす時間があまりにも少なく、子供の行事にも参加できない未来が嫌だったから、お寺で檀家さんに頼る以外でも収入の見込めそうなことが出来そうだと判断したから、寺と葬儀屋の2重スケジュールに嫌気がさしたから
そんな理由です。実際に職場にはそれほど不満もなく、人間関係もそれほどストレスなく部下からも信頼されていたと思うので辞める際は考え直さないかと結構言われました。業務内容もお客様からは感謝の言葉や信頼もあり、やりがいもありましたが、基本的には営業なので良いものを売り込むのは苦手でしたね。
と、まぁ前置きはこんなところにしまして
では、実際に葬儀屋さんにとってお葬式とは
日々の業務であり、仕事である!!
まぁどのようにその葬儀社で葬儀に関わっていくかにもよるとは思いますが、私が日々こなしていた業務内容としては
朝6時半頃に夜間で葬儀の依頼が何件入ったかメールがくる
出社後、どこの葬儀の打ち合わせに行くか(担当になるか)上司が決める
※退社する2年前ぐらいからは役職もついたので担当の割り振りもやってました
決まったお宅へ電話を入れて打ち合わせに伺う
ほぼ午前中いっぱいかけて打ち合わせ
会社へ戻り見積もり作成や書類作成
事務員へ発注などの伝達
午後は役所へ火葬手続きやお寺へ位牌などの書物届け
再度担当のお宅へ伺い見積もり提示などの再打ち合わせ
会社へ戻って事務員へ再報告、翌日の準備
通夜があれば通夜の手伝い
通夜当日は
午前中に担当のお宅へ最終確認での打ち合わせや、別のお宅への打ち合わせ、葬儀の終わったお宅への請求書の届け等
午後は式場設営、納棺準備
納棺の進行や納棺師がいれば納棺の立ち合い
通夜~会食終わりまで
葬儀当日は
担当の葬儀の霊柩車運行や自宅祭壇の設営などをこなして、時間が空けば請求書届けや新規のお宅への打ち合わせ等
また、空き時間などには病院や警察などへ故人様のお迎え(搬送業務)を行ったり請求書作ったり、別の担当の代わりにお寺へ届けや役所手続きなどを行ったりもしました。
実際のところ私のいた会社では基本給があり、葬儀担当についたり営業成績によって手当がついていたりしたので、次から次へ担当につきたいという考えもあれば、1件の葬儀をしっかりこなしたいとの考えや、まぁぼちぼちでいいかなな考えもあり葬儀に対する向かい方は人それぞれでしたね。
私は1件の葬儀をしっかりこなしたいタイプでしたので、退職前あたりは次から次へと行かなくてはならない状況が多くあり、非常につらかったです。(給料もそこまで変わらなかったですしね。)
私の考えは葬儀社にとっては日々の業務だけど、そのお宅にとっての葬儀は
非日常で慣れることのないこと
知らないこと
不安なこと
周りに言われるがままになってしまうようなこと
よくわからないうちに終わってしまうこと
あまり覚えていないこと
だと思い、何か一つでも記憶に残る葬儀にしたいと担当についたときには葬儀を担当していました。
例えば
故人様の好物、趣味のもの、思い出の場所のわかるものなどを打ち合わせ中に聞き出して用意し、棺へ納めてもらったり
火葬場へ向かう途中で思い出の場所や自宅前などがいけそうであれば通ったり
納棺時に綿で着物のように棺の中を飾ったり
そんなことをやっていました。
それで喪主様やご家族に喜んでもらえたり、感謝の言葉をいただけたりそれが1番のやりがいだったと思います。
葬儀屋さんのお葬儀というよりは葬儀社に勤めていた私にとっての葬儀になってしまいましたが、もしこれから葬儀社に勤めたい人、終活中で葬儀屋さんってどんな感じなのかなとかって思っている人が少し参考になればいいかなと思います。
次回は葬儀屋さんの葬儀~家族葬とか直葬って?そんな内容にしていこうと思います。
それでは良い終活のお供となることを
合掌
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